人間の力でエンジンを始動〜キックスターター〜


キックスタートは、セルスターターが登場する前のベーシックなエンジンの始動方法であり、スクーターなどの小排気量車やオフロードバイク、単気筒車などに多く装備されていた。しかし現在では、セルモーターを使ってエンジンを始動させるセルスターター式のバイクが圧倒的に多い(モデルによっては、キックとセルスターターを併用しているバイクも有)。


キックスタートは、まずキックスタータードライブギヤの付いたキックペダルを踏み込んで、キックスターターアイドルギヤを回転させる。そしてその回転をプライマリードリブンギヤで加速して、クランクシャフトに付けられたプライマリードライブギヤを回転させる。すると、クランクが回り始め、クランクにつながるコンロッドの先のピストンが上下運動をし始める。それによって混合気が圧縮されて、スパークプラグが点火し、エンジンが始動するのである。


キックスタートのメリットとして、まず、セルスタートのようにモーターや大型バッテリーなどの重量物の必要がないため、重量を軽くシンプルな構成にできること、また、セルモーターが動かないようなバッテリーの電圧が低い時でも、エンジンをかけることができる、といういうことがあげられる。

それに対しデメリットとしては、排気量が大きかったり、圧縮比が高いバイクの場合では、混合気が大きな抵抗となるため、クランクを回転させるために大きな力が必要になること。そのような場合のために、抵抗となる圧縮された混合気を一時的に抜くことで、エンジンの始動を簡単にするデコンプ機能付きのバイクもある。