エンジンの冷却システム〜なぜ冷却するの?〜

バイクのエンジンは、混合気を燃焼させることによって動力を得ている。
しかし、混合気を燃焼させたときに発生した熱エネルギーの全てが、実際に動力となる運動エネルギーに変わっているわけではない。実際に熱エネルギーが運動エネルギーとして使われるのは全体の約30%程度であると言われている。よって、残りの70%の熱エネルギーは、排気ガスとして排出されたり、エンジン自体に吸収されているのだ。


ところが、このエンジンに吸収された熱エネルギーが問題となって、エンジンが熱を持つことによって様々な弊害が出てくる。金属やゴムで作られた各パーツがその熱によって壊れてしまったり、潤滑を目的としているオイルが熱によって変質して、オイル本来の目的を果たせなくなってしまうのである。

そこで、このようなトラブルを防止するために、エンジンを冷やすことを目的としているのが冷却システムである。


バイクのエンジンの冷却システムには、空冷式油冷式水冷式の3タイプがある。

空冷式はエンジンに空気を当てることによって、エンジンを冷やす冷却システムである。シリンダーやシリンダーヘッドに冷却フィンをつけることにより表面積を増やし、冷却効果を得ている。

エンジンオイルにはエンジンを冷却する作用があるが、それをさらに積極的に利用したものが油冷式である。シリンダーヘッドに大量のオイルを送り込み、熱を帯びたエンジンを冷却する。

水冷式は、シリンダーやシリンダーヘッドの周りに冷却水を流し、エンジンを冷却するシステムである。空冷式に比べると構造的に複雑ではあるが、高い冷却力を得ることが可能である。