カーブを曲がる、その時バイクに働く力とは?
陸上競技のハンマー投げという競技は、ワイヤーの付いた鉄球を振り回して勢いをつけて、少しでも遠くへ投げるという競技である。
円を描くように鉄球を振り回している時には、鉄球はワイヤーの先で同じ軌道を回り、スピードが落ちない間はその位置は変わらない。
これは外に飛び出そうとする力(遠心力)が鉄球に働いているからである。この遠心力は回転速度が速ければ速いほど、また回転している物体が重ければ重いほどに大きい力になる。
バイクはカーブに入ろうとした時、それまで直進を続けていた推進力が、バイクをさらに直進させようと働く。この『直進させようとする力』も遠心力なのである。この時にバイクが外に飛び出さないでカーブを曲がるためには、遠心力と同じ強さでバイクを円の中心に引っ張ろうとする求心力という力が必要なのである。『バイクが旋回している』状態とは、遠心力と求心力とが一致した、バランスの取れた状態であると言える(これが道路ではなく広場のような場所であれば、バイクは一定の円を描くように回り続けることになる)。
ハンマー投げの場合は、ワイヤーを持って引っ張る人間の力が求心力となっているため、鉄球は飛び出すことはない。しかしバイクの場合では、速度にあわせてバイクを傾けるか、もしくはスピードを落として遠心力と求心力とを一致させなくてはならない。
バイクでカーブを曲がろうとする時には、ライダーがその時のスピードやカーブの状況に応じてバイクを操作し、自分自身で求心力を発生させてやる必要があるのである。