数値で表すエンジンの性格@
バイクのカタログには、最高出力(馬力)や最大トルクといった数値が記載されているが、簡単に言うと、トルクとは『軸を回転させる力』のことで、出力(馬力)はトルクに回転数をかけた『仕事の量』のことである。
例えば、変速ギヤ付きの自転車に乗った場合、自転車をこぐ人間の脚力が、エンジンでのトルクのことである。脚力が強いと簡単にスピードを出すことができるが、ただ、いくら脚力が強いからといっても、自転車のペダルをこぐ回転が遅いとスピートは出ない。この時のペダルをこく脚力(トルク)によって起こる回転で、自転車が走る(仕事をする)ことが出力であると考えることができる。しかし、この例だけでは『動かす(移動)』という観点が不足しているので、他の例えで説明してみよう。
10kgの荷物が10個(合計100kg)あった場合、この荷物をある時点まで一定の時間に運ばなければならない時、Aは自転車で一度に2個(20kg)ずつ計5回で運んだとする。出力(馬力)とはkの場合の運んだ総数である10個(100kg)がその仕事量と相当する。また、この時のトルクに相当するのは、1回に運んだ量の20kgになる。
しかし、まったく同じ条件で、Bは自転車で一度に5個(50kg)の荷物をゆっくりと計2回で運んだとした場合、AとBのかかった時間が同じならば、どちらも同じ時間で同じ仕事をしたことになる。ただ違うのは往復した回数であって、これがエンジンでの回転数に相当する。
これによって、トルクが少ないエンジンは、多く回転させることによって、トルクのあるエンジンと同等の出力(馬力)を得ることができるということがわかる。